Q&A【卵巣刺激】HCG注射は卵の質に影響しますか?

Q:HCG注射は卵の質を悪くするので、いかなる理由でも使うべきではないという考えが一部にありますが、先生の経験上そのようなことを感じたことはありますか?また、自然周期と誘発剤を使用した周期での違いはありますか?

A:加藤レディースクリニックからの論文に、自然周期でHCG投与を行った翌周期の採卵では、空胞や変性が多かったという報告があります。しかし、海外からの報告はありません(自然周期が日本だけということもありますが)。HCGが悪者であると考える根拠としては、流産後には最低2ヶ月あけないと良い卵子が出てこないことや、流産後の排卵はLUFになりやすい(卵の質が悪いためです)といったことが考えられますが、持続的にHCGにされされている妊娠中と違って、HCGの単回投与では血中にそれほど長くは残りません。経験的には刺激法での採卵で、翌周期に悪影響が残るという実感はありません。

ただし、採卵後、続けて黄体期採卵(1周期に2回採卵)する場合、前半での採卵のトリガーにHCGを使うと後半での採卵にあまりよい卵がとれない印象はあります。ですので、こういった場合はHCGは使わないようにしています。(一方で海外からの報告では前半後半どちらもHCGをトリガーに使っていて、卵の質に違いがないとする報告もあります。対象年齢が若いことも関係している可能性はあります。)

刺激周期の採卵でHCGをトリガーに使う理由は、そのほうが採れる卵子の数が多くなりやすいからですが、自然周期での採卵では、もともと脳から刺激(LH)が出ていない無排卵の方でない限りトリガーをHCGにする必要性はないと思いますので、あえてHCGを使わなくてよいのではないかと思います。

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